私は常識とか、社会通念に囚われすぎているのかもしれない。
日本一有名な元ニートのPhaさんが絶賛していて、気になって読んでみた本。
ストーリーは、絵描きの主人公がいろんな男の人とセックスしたりしなかったりする話。
Phaさんも書かれていたように、文章はかなりカジュアル。
どちらかというとねっとりじっとりした文章のほうが好きなので、文章は好みではなかったのだけど、頭にすっと入ってくる読みやすさが良かった。
ここ最近文字数が多い本が続いていたので、紙面の文字の少なさにホッとしたところもある(笑)
主人公がセックスする男性の中のひとりに『痴漢』氏がいるのだけど、この痴漢氏と主人公の会話でこんなのがあった。
「こないだ、女の子から電話があってね。『彼氏と別れたからまた会ってください』って言うんだよ」
「そうですか」
相手が痴漢だけに、嫉妬なんて起きないのだな、と私は思う。
「なんで、彼氏ができると会わなくなるのかな」彼は拘っている。
「一応義理立てするからかな?」
「じゃあ、なんて彼氏と別れると戻ってくるんだよ。それこそ俺に対する義理欠いてるぞ」
だけど彼は友だちではない、義理なんてない、彼は卑劣漢なのだ、
〜略〜
その子だって痴漢に触られる方が気持ちいいのだろう、でもそこを基準に考えるわけにはいかない。基準を付き合った男に合わせると痴漢には会えなくなってしまう、別れた後はそれに捕らわれる必要はないから戻ってくるのだと私は言った。でもその基準ってなんだろう、自分で言った言葉がひっかかる。
『イッツ・オンリー・トーク』より
ここのくだりがすごく心に残った。
現代日本では、基本的に付き合っている人と『だけしか』セックスはできない。
付き合っている人以外とセックスすると、浮気ってことになって、白い目でみられることになる。
だから付き合っている人以外とセックスしたいなら、まずは別れてからじゃないといけない。
でもこれって、誰が考えたんだろう?
そもそも付き合うことと、セックスを別に考えるのはいけないのか?
恋人だけどセックスはしない、という関係があってもいいと思うし、
恋人ではないけどセックスはする、という関係があってもいいかもしれない。
(これって、いわゆるセフレということになってしまうか・・・汗)
なんでこの文章がこんなに印象に残ったのかというと、私自身、性欲が少ないからかもしれない。
割と最近まで、私に限らず女の人って、そんなに性欲がないものだと思っていたのだけど、いろんな人のブログを読んでいたらそうでもないということに気づいたんだった。
女の人でも性欲が強い人もいれば、私みたいにあんまり強くない人もいて、それは人それぞれ。
私みたいに性欲が強くない人は、セックスなしのお付き合いでも全然問題ない。
かといって、例えば、夫が誰かとセックスしたとして、自分がどう思うかと想像すると、多分、いやかなり嫌な気分になる。
だけど、これって、小さい頃から植え付けられた感情じゃなかろうか。
少女漫画や、恋愛小説や、その他恋愛ドラマなどで、「他の人とセックスすること=悪」と植え付けられて育ってきてる。
良くも悪くも。
そういうのが自分の感情にも影響してないと言い切れるのか。
わからん。
夫が会社の同僚(女)と食事をしに行くことは、別に全然問題ない。
夫が会社の同僚(女)とセックスしたら、問題だ。
この線引は、どうやって決まったのか。
そもそも、恋愛感情とセックスとを切り離して考えてもいいんじゃないか??
恋愛感情って、もっと複雑というか、多様なものであってもいいはずで、恋愛の対象だけどセックスは別とか、もっといろいろあってもいい気がする。
まぁ、セックスの延長線上に子どもの問題があるから、むずかしいところだな。
もし子供ができてしまった場合、どうするんだとか、いろいろ不都合がでてくる。
100%確実な避妊法ができないと、ちょっとむずかしい問題かもしれない。
いつものように、答えは出ない。
Phaさんのブログ
関連記事