最近読んだ本まとめ。資本主義の闇とか。建築とか。その2
最近読んだ本で、面白かったものなどをまとめてます。
その1はこちら↓↓
今回はその2!
最近面白かった本の2冊めはこちら。
横浜とか、日本橋界隈の西洋建築をかなり解像度高く紹介してくれていて、ふつうに読み物として面白かった。
一番衝撃だったのは、横浜にある「横浜開港資料館旧館(旧英国総領事館)」のくだり。
一見おしゃれな西洋建築物なんだけど、解像度高く見てみると、各種に古代ローマの『凱旋門』のデザインを引用しているらしいことがわかる。
この横浜開港資料館旧館(旧英国総領事館)を設計したのは、英国工務省の設計者。
凱旋門というのは、もともとは戦争に勝利したときに建てるもので、そのデザインを引用した建物を、当時の英国工務省が日本に建てたというのは、ものすごく、ものすごーく意味深だ。
英国工務省の設計者が凱旋門の意味や、凱旋門に使われていたデザインを知らなかった訳はないので、やっぱりやっぱりものすんごく意味深だ!!!
デザインがわからないと、なんだかかっこよい西洋建築としか思えないけど、デザインの詳細な意味がわかると、設計者が意図したことがわかってきて、建築を見る目が変わってくる。
また、各地にある『擬洋風建築物』についても知らないことばかりで面白かったな。
擬洋風建築物っていうのは、単語に「擬」とか、「洋風」とかついているだけあって、本物とは違うんだよ〜という意図が感じられる。
この本を読んだ感じでは、日本橋や横浜界隈の西洋建築物は、西洋のデザインをしっかりと学んだ建築家が設計しているのに対して、擬洋風建築物っていうのは町の大工さんが都会の西洋建築物をみて、真似して造ったもの、という印象。
日本全国にあるので、中には違ったものもあるかもしれない。
長野にある開智学校 は、昔、見に行ったことがあるのだけど、そのときはなんだかグロテスクな感じがして、好きになれなかったんだった。
その好きになれなかった意味が、この本を読んでわかった気がした。
つまりは、日本の伝統工法を使いながら、西洋建築に似たようなものを造ったところのギャップがどうにもちぐはぐな感じがして、私は好きになれなかったんだろうなぁと。
西洋建築=石造というイメージがあるけど、開智学校は木造の校舎。
なので、細部が木造を前提にした造りになっている。(そりゃそうだ!)
西洋建築物、という目で見るのではなく、これはこれ、開智学校は開智学校。
オンリーワン、というような目で見てみると、たぶんきっと違う感想になりそうだ。
おすすめです。
もともとは展示だったのを本にしたらしい。
展示を見に行きたかったな〜。