思ったこと、考えたこと。

日々のことや、読書のことなど。

読んだ本まとめ(2023年7月・8月)

画家とモデル―宿命の出会い―(新潮文庫)

銀河英雄伝説1 黎明篇 (らいとすたっふ文庫)

アルスラーン戦記1王都炎上 (らいとすたっふ文庫) 

アルスラーン戦記16天涯無限 (らいとすたっふ文庫)

わたしの幸せな結婚 (富士見L文庫) 

わたしの幸せな結婚 六 (富士見L文庫)

皇帝の薬膳妃 朱雀の宮と竜胆の契り (角川文庫)

皇帝の薬膳妃 紅き棗と再会の約束 (角川文庫)

ぬばたまおろち、しらたまおろち (創元推理文庫)

創竜伝1超能力四兄弟

創竜伝2摩天楼の四兄弟

世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫 す 31-2)

おちくぼ姫 (角川文庫)

マチネの終わりに(文庫版) (コルク)

 

田中芳樹先生にドはまりした2ヶ月。

きっかけはAudible。

これ、めちゃくちゃ良いですね。

通勤中など、ハンズフリーで本が読める(聞ける)ので、通勤時間に1時間以上使っている人は読書がめちゃくちゃはかどる気がする。

お試し無料キャンペーンに載せられて登録してみたけど、継続しようかな。

月額料金がやや高め(1500円)なのだけど、月10冊以上はサクサク聞けてしまうので、もはやお得では!?という気分になっている。

 

 

アルスラーン戦記も7巻の「王都奪還」編までAudibleで聴き放題対象になっていて、これがもうめちゃくちゃ良かった。

下山吉光さんという方が朗読をしているんだけど、これがすごい。

プロの声優の方なので、うまいのは当たり前なのかもしれないけど、それにしても一人で何役もこなしていると思うと、頭が下がるというか、朗読なのにキャラごとに声を買えてくれるなんて・・・ありがとうございます!と、感謝しかない。

 

本で読むのとは違った楽しさがあって、しばらくはどっぷりAudibler漬けになりそうだ。

 

銀河英雄伝説アルスラーン戦記の次に視聴して、これまたナレーションが下山さんで、素晴らしいの一言。

こちらは最終巻の10巻までAudibleで聞けたので、もう2週間くらいぶっ続けで聞き続けてしまった。

最高でした。

原作が面白いのと、下山さんの朗読の相乗効果で、アニメとも普通の読書とも違った良さがありました。

終わってしまうのが悲しいくらい・・・。

 

アルスラーン戦記銀河英雄伝説の2代超大作を聞いて読んだあと、唐突にTLの「わたしの幸せな結婚」をこれまたAudibleで聞きました。

 

時々、猛烈に甘々な恋愛小説が読みたくなるんだけど、そういうときにぴったりの小説だった。

Audibleでは男性の岩中睦樹さんが朗読しているんだが、これまた・・・・

良い!!!!

 

女の子が主人公なのに、あえて男性声優さんを朗読者に選んだ制作陣に感謝。

ヒーロー役の清霞(きよか)のかっこよさ・不器用さなどが伝わってくる演技力・朗読力で、脱帽です。

プロってすごい。

ストーリーは、割とコテコテのシンデレラストーリーで、ファンタジー要素がプラスアルファされている感じ。

巻が進むごとに、ファンタジー要素が強くなっていくのだけど、そこまで予想外の展開が起きるというわけではなく、ストーリーを楽しむというよりは、両思いなのに感情表現が不器用すぎる二人の日常生活を楽しむ小説という印象(あくまで私感ですが)。

特に6巻は素晴らしかった。

「きよ君」は、、、、反則じゃ・・・・。(読んだ方はわかるはず)

 

しかし、こういうシンデレラストーリーって、ものすんごいベタベタで、わかりやすいのに、根強い人気があるのはなんでだろうと考えてしまう。

やっぱりなんだかんだ、努力せずに運に恵まれたい、楽して生きたい、楽して幸せになりたいっていう願望があるからだろうか。

楽したい、って、人間の根源的な欲望なのかもしれない、なんてことを考えてしまった。「楽(らく)」と「楽しい」が同じ漢字なのも、考えると面白い。

 

 

旅行中のお供に、Kindleで読んだもの。

全く知らない作家さんだったのだけど、Amazonにおすすめされるがままに読んだもの。

そしてこれが、読み始めたらめちゃくちゃ面白くて2巻まで一気読みしてしまった。

 

仕事に一生懸命な女の子が、あれやこれや事件に巻き込まれたりしながら、一人三役で、八面六臂の活躍をしつつ、段々と周りの人にも認められて(何なら惚れられて)いくお話。

やっぱり主人公の女の子が自発的に色々と活躍するお話は良いですね。

続きも楽しみ。(現在5巻まで発売中)

 

 

これは、もう作者の労力に脱帽。

ネタバレになってしまうので、あまり詳しいことは言えないけれど、とにかく作者さんに拍手としか言いようがないです。

 

テレビで紹介されたとかで、友達におすすめされたんだけど、これはオチに脱帽です。

思いついたとしても、やろうと思った作者がすごい。

 

 

言わずとしれた平野啓一郎先生のベストセラー。

映画化もされてます。

今更ながら読んでみた。(正確には「Audibleで聴いてみた」)

あらすじだけ読んだときは、昼ドラみたいだなぁ、と思ってしまったんだけど、そういう話ではなかったな。

 

分類してしまうと恋愛小説になってしまうんだろうけど、恋愛部分よりも、恋愛を通して登場人物たちが感じている罪の意識とか、贖罪は成り立つのか、とか、そういうもののほうが印象に残った小説だった。

たぶん私にもっとキリスト教の素養があれば、もっと楽しめたんだろうと思うが、あいにくキリスト教には詳しくない・・・。

よく日本は恥の文化といわれるけれど、この小説では「こんなことをしてしまった自分が恥ずかしい」という日本的な感情ではなくて、登場人物の多くがなんらかの罪の意識に苛まれている印象だった。

そしてその罪の意識というのは、告白することによって許されるわけだけれど、例えば主人公の母親は自分の犯した罪を娘(主人公)に伝えない(告白しない)ことによって、自分を罰しつづけているように思われた。

母親とは真逆のキャラクターが早苗という登場人物で、早苗は自分の犯した罪を告白してしまう。告白することによって、ある意味では許されるからだ。

この二人のキャラクターをとってみても、作者が何重にもいろんな意味を盛り込んでいるんではなかろうか、と考え込んでしまった。

本文中、キリスト教のマルタとマリアのエピソードが引用されているんだけど、これがまたすごく考えさせられる話で、最初に聴いただけではやっぱり早苗の意見に同意してしまいそうになる。

なんだけど、ちょっと考えると、マルタが「自分だけキリストのためにもてなす準備(苦労)をしているのは不公平だ」と感じるのは、ものすごく自分勝手な話でもあるな、と思えてくる。だって、マリアはマルタに命令した訳では無いし、マルタはそれを自発的に始めたはずなんだ。

マルタがしていることと、マリアがしていることの間には、関係はないのにもかかわらず、マルタがマリアのことを妬むのはお門違いなんじゃなかろうか。

と、このあたりの引用を読みながら考えて、このエピソードに対する主人公の答えが、また難解で唸ってしまった。

この部分は今でもよくわからない。

信仰の問題、ってどういうことだろう。

 

ま、とにかく、また何年か後に読み直したい小説ではあった。

もうすこし宗教とか、哲学とか、素養を深められたらもっと違った見方のできる小説だと思う。