海外の間取りは、日本と全然違う。
絶賛、インテリアまつり中の夫が借りてきた本。
なんとなくパラパラ見てたら、日本と海外とでは、間取りの作りがかなり違うんだなぁと。
文化が違うんだから、当たり前なんだが。
一番印象的だったのは、
海外では、玄関→リビング
日本では、玄関→廊下→リビング
というところ。
日本だったら、玄関を開けると、まず廊下に繋がっていることが多いと思うけど、海外では玄関を開けたらリビングに直結している間取りが多い。
夏や冬など、冷暖房を使う季節だと、玄関を開けるたびに熱気(冷気)がリビングに入り込んできてしまうので、断熱的にどうなんだろう。
また、お客さんが来たときに、玄関を開けただけで、リビングが丸見えになってしまうので、常に家をきれいにしておかないといけない。
ある意味で、家をきれいにキープする動機になって、いいかもしれない。
あと、思った以上に間仕切りがない印象だった。
日本の木造一戸建てとかだと、どうしても耐震壁を作らないといけないので、だだっ広いワンルームを作るのは技術的(法律的)に難しいのだけど、地震がない国なんかだと、構造体が少なくて済むという理由もあるのかもしれない。
間仕切りも思った以上に少なかったし、廊下も少なかった。
というより、ほとんど無い。リビングから各個室にアクセスするような間取りになっていて、リビングが廊下みたいな感じだったな。
スペースの無駄が省けるし、面積が小さい家こそリビング→個室アクセスタイプは良さそうだ。
そして、とにかく広い。
広い!!!
なんでかなーと思ってよく見ると、収納スペースが少ないような気がする。
ドラマの間取りだし、リッチな設定が多いということも影響しているとは思うけど。
クローゼット的なものがあんまりないのはなんでだろう。
欧米人は日本人に比べて、持っている物の量が少ないという話を聞いたことがあるけど、それにしても、洋服なんかはどうやって収納しているんだろう?
日本で今流行のミニマリスト的な精神が海外では昔からあったんだろうか??
こういう本が出版される背景には、海外のインテリアがかっこいい!という意識があるんだろうけど、日本人の海外コンプレックスっていまだに根強いんだなぁと思ってしまうな。
私も一時期、欧米かっこいい!と無条件に思っていたので、全く他人事ではないんだが、このコンプレックスの原因はどこにあるんだろう。
建築一つとっても、海外の教会建築の圧倒的なスケール・デザインと比べてしまうと、日本の木造建築(城や寺社仏閣など)はどうしても地味に見えてしまうのは、私だけかな??
日光東照宮はかなり派手ではあるんだけど、あれは成金趣味のように見えて全然好みじゃないんだよなぁ。
かたやヨーロッパのゴシック建築(ネオゴシックも同様)なんかは、ゴテゴテなのにかっこよく見えるから不思議だ。
ヨーロッパの建築をかっこいい!と思う気持ちはよく分かるので、明治や昭和の役人たちがヨーロッパに留学して、コンプレックスを抱いてしまったのはもうどうしようもない。
そして、明治・昭和期に植え付けられた海外コンプレックスが、未だに尾を引いている気がする。
デザイン性もとい芸術性という点では、歴史が違いすぎるし、文化度がヨーロッパと日本とでは差が圧倒的すぎるので、比べてもしょうがないんだけども。
どうしようもないのだけど、もう少し自国の文化を愛でてもいいかもしれないなぁと思う。
万が一、自分で家を造るということになったら、日本に昔からある障子や引き戸、縁側などの可能性を考えてみたい。
特に障子なんかは、いくらでも進化させる余地があると思うし、ちょっとデザインを現代風にアレンジすれば、かなり格好良くなると思うんだけどなぁ。