悪ガキと表現されるアーティスト「Chim↑Pom展」に行ってきました。@森美術館
現代アートがわからないという理由で、最近は現代アートの入門書を読み始めています。
その中で紹介されていたChim↑Pom(チムポム、チンポム)というアーティストの展覧会に行ってきました。
ちょうどいま、六本木にある森美術館で展覧会を開催しています。
5月29日までなので、興味のある方はお早めに!
Chim↑Pomは6人からなるアーティストグループで、全員日本人のアーティスト集団です。
この前読んだ、以下の2冊に『注目のアーティスト』として書かれていたので、気になっていました。
実際、作品を見てきた感想としては、おちゃめな響きの名前からは想像できないくらい、強烈な作品ばかりだった。
※展覧会は一部を除いて、ほとんど写真OKでした。
例えばこちらの「ビルバーガー」という作品。
実際に取り壊されたビルの廃材を、ハンバーガーに見立てて作品にしたものです。
これを見て何を思うかは人それぞれだと思いますが、作品説明を読むと、スクラップ&ビルドという老朽化した建物を取り壊しては新しい建物を作るという日本の建築(まちづくり)を大量生産・大量消費の象徴であるハンバーガーに見立てたもの、というようなことが書いてありました。
(うろ覚えなので、間違っていたらすみません)
スクラップ&ビルドが、いいとか、悪いとか、そういうことは書いてません。
Chim↑Pomは、決してスクラップ&ビルドを批判しているわけではなさそうです。
ただ、疑問には思っているのかもしれない。
日本の建物って、鉄筋コンクリート造のような頑丈な建物でも50年くらいで取り壊されてしまったりする。
木造なんかだと30年もしないで取り壊されてしまったり。
これを長いとみるか、短いとみるかは、人によって分かれそうですが、少なくとも欧米などに比べると遥かに短いのが日本の建物の寿命なんです。
もちろんこれには環境に対する意識が低いという理由ばかりではなくて、地震が多く、湿度が高い日本では建物が傷みやすいという理由もあるので、一概に良くない!とも言えません。
ついこの前も建築界隈では有名な建物の取り壊しが決定して、ニュースになっていました。
建築史上重要な建物ですら、取り壊されてしまうのが日本の現状だと思うと、ちょっと悲しい。1972年に完成しているので、ちょうど築50年で解体。
じゃあ、かと言って新築以上の費用をかけて改修や修繕をするかっていうと、これも難しい問題。
特に建物所有者や土地所有者にとっては、本当に悩ましい問題ですよね。
(有名建築だとしても)古い建物をそのまま使い続けても、収益は上がらない。
だったら、もう建て替えて、高収益物件にしよう!
こう考えても、全然不思議じゃないよなぁと。
これまで、老朽建築物を取り壊して、新しい建物に建て替えるスクラップ&ビルドは、どちらかというと良いこととして考えられてきたように思いますが、本当にそうかな???と。
ある意味では良いけど、ある意味では何かが犠牲になっているかも。
スクラップ&ビルドという単語は、調べてみると高度経済成長期に生まれた言葉らしい。
この前読んだ、グリーンジャイアントという本に書かれていた「環境問題の解決と資本主義は両立しない」ということが、このビルバーガーをみて、ふと頭をよぎりました。
日本の建築も、大量生産・大量消費の象徴であるハンバーガーとおんなじだよ〜って言われているようで、なんだかなぁと。
ココ最近、なんだかなぁと思うことが多すぎて、ブログにも「なんだかなぁ」がたくさん出てきてしまっていますが、本当に「なんだかなぁ」
こんな感じで一個一個の作品の前で考え込んでしまって、結局全部見るのに3時間くらいかかりました。
好き嫌いは別として、観る意義はある作品ばかりだと思ったので、一度は見てほしいアーティストだと思います。
直截な表現の作品が多いので、賛否両論なのもうなずける(笑)
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